石畳の猫 #02

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「人生は2通りに分けることができます。それは、猫がいる人生と、いない人生」とあるライブでシンガーソングライターの山田稔明さんが呟いたことばでしたが、あまりに的を得ていて、大きくうなづいてしまいました。

もちろん猫のいる人生を選んだ私はこの先も、猫を師匠として共に生きていきたいと思っています。それにしても十猫十色。それぞれ個性豊かです。我が家では歴代6匹の猫たちがいましたが、見事に性格が違います。前回最初の猫、ミリオンとの別れから始まったコラムですが、今回は私が18歳で一人暮らしを始めてすぐに飼い始めたそのミリオンとの思い出話を少しご紹介します。

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ヒマラヤン、ブルーポイントのオス猫ミリオン。仔猫時代は猫というよりフワフワのタヌキのみたいな容姿でその愛くるしさに猫嫌いだった私の母もイチコロ!しかし、父に至っては、可愛らしさへの表現を間違えて、「あまりに可愛らしくて、、」と掃除機に怯えるミリオンをつい、シュポッとノズルにくっつけてしまったから大変。以来、大の父親嫌いプラス男嫌いになってしまいました。まぁ当然の成り行きだとは思いますが、、。

思春期の恋多き私の青春時代。この男嫌いのミリオンにはなかなか苦労させられましたから、今思うと父の戦略だったかもしれません。おまけにとても嫉妬深い男の子に育ち、私がしばらく留守をすると、クローゼットから、わざわざ私のお気に入りの洋服を引っ張りだして、さんざんもてあそんだ挙句に、ウンチのお土産をするなど、留守番を頼んでいた友人が青くなる出来事も数多くありました。

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私以外の人間には懐くことのない神経質な性格も私にとっては特別に可愛い存在でした。7年間を二人暮らしで過ごしたところで、我ながら溺愛し過ぎている不安を感じ、同じヒマラヤンのメス猫ローサを迎えてみると、私の不安をよそに、初対面のその日に、まるで母親の様に仔猫を舐めてあげる仕草を見せてくれました。その貴重な瞬間の写真は今でも私の宝物です。

ローサとは、スウェーデン語でバラを意味します。2匹揃うと「ミリオンローサ」100万本の薔薇になります。猫にも2通りある様で、「猫が好きな猫と、人が好きな猫。」ミリオンはローサと出会ったことで生まれて7年目にして自分が猫であったことを初めて知ったのでしょう。とても穏やかで自信に満ちた表情を見せる様になりました。

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川上 麻衣子
Maiko Kawakami

1966年2月5日スウェーデン・ストックホルム生まれ。女優・ガラスデザイナー。
1980年14歳の時、NHKドラマ人間模様「絆」で芸能界デビュー。
同年、「3年B組金八先生」(TBS)で生徒役を好演し、注目される。
以後、テレビ「青が散る」(TBS)「トライアングルブルー」(CX)「恋も2度目なら」(NTV)連続テレビ小説「おしん」(NHK)大河ドラマ「秀吉」(NHK)「牡丹と薔薇」(東海TV)、映画「幸福」(市川 昆監督)「それから」(森田芳光監督)「うれしはずかし物語」(東 陽一監督)「その男、凶暴につき」(北野 武監督)「GONIN」(石井 隆監督)「一枚のハガキ」
(新藤兼人監督)など、数々のテレビ、映画、舞台で活躍。
映画「でべそ」(望月六郎監督)では、第6回日本映画プロフェッショナル大賞主演女優賞受賞。
2010年スウェーデンの教育絵本シリーズ「愛のほん」「死のほん」(小学館)を翻訳出版。
2015年「彼の彼女と私の538日~猫からはじまる幸せのカタチ~」(竹書房)を出版。
北欧のガラス工芸に魅せられ、自らがデザインした作品展を各地で開催。小樽ふれあい観光大使を務めるなどガラスデザイナーとしても幅広く活動している。