妄想猫 #03

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どこに行っても猫を構う人。セント・マーチン島にて

 

猫と犬

ここ数年、日本は猫ブームであります。

コマーシャルに猫。ネット動画に猫。書籍でもカレンダーでも猫、猫、猫。

猫好きにはたまらん状況が続いてるんであります。

その前までは犬が優勢だったのに、なぜ変わったのか。

 

ものの本によると、猫ブームは日本だけじゃないようだ。

世界中で飼われている犬・猫の比率は、犬1に対して猫3くらいなのだそうだ(2014年あたりの統計)。

その理由は、多くの人々が都会で暮らすようになったから。

都会は犬にとって理想的な環境とはいえない。

逆に、猫にとっては快適なのだ。

 

猫は犬と違って、散歩に連れて行く必要がない。

精神的に独立してるので、しょっちゅう構わなくても大丈夫。彼らがストレスなく暮らせる環境にしておけば満足してくれる。

それでいて、飼い主には深い愛情を抱いてくれる(あまり顔には出ないが)。

その距離感がすごくいいなァと思う。

 

たまに犬に会うと、その「構ってくれ!」アピールにたじたじとなる。

ちょっと遊ぶのは好きだが、たいがい、ちょっとではすまない。本気で遊んだら疲労困憊。こっちはもう、半日は動けなくなる。

そこで「ちょっと休もうか」と声を掛けて離れると、彼(もしくは彼女)は、こっちをものすっごい見ているのである。

その見詰め方にたじたじとなる。目を合わせるのが怖い。

 

かくいう僕は、子供の頃に犬を飼っていた。最初の犬は「ロン」という名だった。

命名したのは母である。名前の由来は、当時母が麻雀に凝っていたからである。

思えば乱暴な名付け方であった。

2代目の犬は「タロウ」という名だった。こいつはもらってきた時点でタロウという名が付いていたから、特に問題はなかった。

小学5年生から高校3年生のあいだ、この2匹とともに過ごした。つまり子供時代は犬派だったわけであります。

 

それが今はすっかり猫派。

その端緒は、大学時代に仔猫を拾ったからである。

茶虎とブチの混じった雑種で、しっぽが見事なカギ型だった。

「こういうのはカギ尻尾というの。母猫のお腹にいたときに窮屈だったからこうなるの」

と、当時の先輩が言っていたのを思い出す。

しかし、今ではカギ尻尾の原因は別にあるといわれている。遺伝だから何だか忘れたが、とにかく母猫のお腹が窮屈で曲がるわけではないらしい。

この問題はちょっと宿題にしておこう。何かの本で読んだはずなのだ。

 

で、拾ってきた猫には「ナン」と名付けた。

由来はカレーに添えるナンからきている。当時、カレーをナンで食べることに凝っていたからだ。

思えば乱暴な名付け方であった。

ナンはとても長生きした。確か20歳近かったと思う。

とてもいいやつだった。

Text by 黒川勇人(缶詰博士)

kurokawa

「缶詰博士」(公益社団法人日本缶詰協会公認)としてテレビ・ラジオ・雑誌・新聞など様々なメディア出演や執筆活動で活躍。現在までに世界46カ国を取材。数千缶の缶詰を味わっている。もちろん、ペット用の猫缶に関してもオーソリティ。大の猫好きだが、今は一緒に暮らす猫は居ず、猫との暮らしを妄想する日々。