妄想猫#7 

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ねこ人間

 

いつ頃からなのか憶えてないが、ねこ人間が気になっている。

 

ねこ人間はごくたまに姿を現す。こちらが予測してないときに、不意にテレビや雑誌に出てくる。

 

ねこ人間といってもUMA(未確認動物)のような存在ではない。彼らはイラストレーションの中にだけいる架空の存在である。

 

ねこ人間の面白いところは、誰のものでもないこと。プロのイラストレーターが何人か描いていて、その人のタッチによって雰囲気が変わるが、それでも共通のイメージを持っている。

 

共通イメージその1

裸である。しかし局部的な描写はまったくなく、まあ何というか、全身がつるっとしている。裸というよりも「服を描くのを忘れました」的な姿。

 

共通イメージその2

男女の区別がない。どちらかというとみんな男に見える。

 

共通イメージその3

色は青とか黒とか、濃い色のベタ塗りが多い。

 

共通イメージその4

微笑している。

 

本当は、ねこ人間を描いているイラストレーターを調べ、リストにして分類などすれば、それぞれの違いとか活躍する場所がはっきりすると思う。

 

でも、それをやってしまうと、何だかつまらないことになりそうな気がする。

 

ねこ人間は不意に現れ、去っていくのが好ましい。そこは本物の猫と同じなのだ。

 

Text by 黒川勇人(缶詰博士)

kurokawa

「缶詰博士」(公益社団法人日本缶詰協会公認)としてテレビ・ラジオ・雑誌・新聞など様々なメディア出演や執筆活動で活躍。現在までに世界46カ国を取材。数千缶の缶詰を味わっている。もちろん、ペット用の猫缶に関してもオーソリティ。大の猫好きだが、今は一緒に暮らす猫は居ず、猫との暮らしを妄想する日々。